今年のフジロックのビョークは微妙だった。彼女の終わりすら感じた。



今年、めちゃくちゃ悩んだ挙げ句、完全にビョーク目的でフジロックに参戦した。

私の終始の感想は「えっ……1回目よりも2回目よりも微妙じゃないか」に尽きる。

ライブが始まった最初だけは多少の高揚感はあったかもしれないけど、自分の好きな曲を歌っているにも関わらず、みるみるテンションは下がっていくばかり。

終盤のハイパーバラッド(Hyper Ballad)なんてお粗末の一言でしかない。というか、盲目な信者でない限り、アレがいかに乗り気なく歌っていたか分かるはず。この意見は誰に何て言われようと覆さないよ。だって、実際に、絶対に、本人が呆れながら歌っていたもの!

セットリストを再確認しても、やっぱり良い感じのセレクトなはずなのに、全く記憶に残っていない。

申し訳ないけど、他のアーティストたちの方が印象に残っているほど。

特に、私はかれこれ10年近く邦楽を聴いていないし、興味もなかったんだけど、会場に着いたのがちょうど YUKI のライブの終盤間際だったのも相まってビールを飲みながら聴いていたんだけど、こっちの方がよっぽど印象に残った。むしろ、久々に邦楽に目覚めるキッカケとすらなった。しばらくして、YUKI のニューアルバム『まばたき』を購入したほどだから。

ビョークは CD が微妙だとしてもライブは素晴らしいという印象をずっと抱いていた。それは幻想だった。2013年のフジロックのときはあんなに高揚したにも関わらず、今回は「フジロックにわざわざ来なくて良かったなあ」という印象しかなかった。直前までビョークを信じていた自分をぶん殴りたいほど。

周囲の日本人や外人を見渡しても、誰もが絶賛しているような様子が伺えたのだが、その中で私だけが微妙な印象を抱いていることに孤独間やら罪悪感すら抱いていた。

ライブに限らず、最近のビョークには首をかしげてしまう。世界中の誰もが Vulnicula を堪能し、それを絶賛しているのだが、私はそのときからついていけなくなっていた。主観的ではなく客観的に考えても、だ。

何度聴いてもしっくりこないアルバム『Vulnicula(ヴァルニキュラ)』。それは今も変わらない。そのことについて SNS で呟いたら「それはあなたが進化したからでしょう」なんて皮肉すら浴びせられた。

ビョークファンは、信者ではないファンは、本当にこのアルバムを高評価しているのか?とすら疑問に思う。1〜3曲くらいは良いなあ、と思うのもあるけど、それ以外は全滅。ということは、アルバムの出来としては最悪にも等しい。

一般の人たちに受けなかったと言われている『Medúlla(メダラ)』ですら好きだった私が、『Vulnicula(ヴァルニキュラ)』だけはやっぱりどんな方向から攻めても受け入れることができない。

そして続く新作アルバム『Utopia(ユートピア)』内の新曲『The Gate』。これもフジロックと同じく「えっ!?これだけ期待させておいてコレ?」という感想。

もしかしたら、ビョークは今年のフジロックから感じていた通り、もう終わりを迎えているのかもしれない。信者たちはなんでもかんでも、時に同国アイスランド産のミュージックなら無条件で肯定しがちだけど、私は違う。

だって、ビョークの最も素晴らしいところは、アルバム毎にコンセプトが異なるところだったはず。この新曲、ヴァルニキュラの続きと言われても仕方ないほどの出来。本当にガッカリした。

百歩譲って、コンセプトが異なることにこだわらなくとも、前作を乗り越えて欲しかった。ファンだからこそ厳しく言いたい。

新曲云々以前に、内情も多少は知る私としては、ビョークはもう自分を褒めてくれたり、今の自分が良いと思える人たちで身の回りを固めてきている気がする。

そう考えると、ちょっと寂しくもある。ビョークの良さって、周囲の人たちの影響なの?と(まあ、それも事実なんだけど)。

マーク・ベルが生存していたらどうなっていたんだろう。やっぱり彼が亡くなってしまったことは大きいのかもしれない。

ビョークという生き物自体は興味があるのでこれからもニュースやら本人の発言および告知は追いかけるとは思うのだが、こんな低俗で同じものを出されてしまっては、次のアルバムに対しての期待は薄れてしまう。ほぼ間違いなく、買わないと思う。

バイオフィリアまではまだ良かった。むしろ、良かったくらいだ。バイオフィリアのライブをフジロックでも国外でも体感したときは素直に「おおー!」と思った。

ただ、アルバムを聴いた時点で今のビョークが微妙と思っていた勘が的中してしまった。SNS 内で検索したら「声が出ていないよね」「キーが合っていないよね」とかの意見も当時はあったんだけど、そういう問題じゃない。そこは問題じゃない。

なんというか、気持ちが全然こもっていないライブだと今年のフジロックでは思ってしまったのだ。もしかしたら向こうもいい加減日本公演に飽きて「ハイハイ、とりあえずハイパーバラッドやればいいんでしょ?」みたいな気持ちだったのかもしれない。

だとしても、それはとても失礼な行為だ。こっちは決して安くはないチケット代と交通費や時間などの対価を支払った上で観賞しに来ているのだ。それを満たさないのは、プロとして失格だとすら思う。私がビョークの立場だったら、自殺するほど恥ずかしいレベルのライブだった。何度も言うけど、この意見は絶対に覆さないよ?だって、紛れもない事実だもの。主観的じゃない、客観的な意見として……。

とりあえず断言できることは、もうビョークのライブには期待しない。ビョーク目的でフジロックにしろ単独公演にしろ絶対に行かないということ。

本当、ビョーク以外のアーティストの方がいっぱい印象に残ったほど。